学会からのお知らせ
シスチン尿症へのチオラ錠の供給問題について
2021/3/24
現在、シスチン尿症に対する唯一の治療薬であるチオプロニン(チオラ®)が原材料の供給に問題が生じ、生産不可能になっております。現在、供給再開のめどがつかない状態です。本剤の適応は、慢性肝疾患における肝機能の改善、初期老人性皮質白内障、水銀中毒時の水銀排泄増加、シスチン尿症などです。シスチン尿症への適用は「飲水療法及び尿アルカリ化療法で、尿中シスチン濃度の飽和溶解度(一般に250mg/L)未満に保てない場合に、本剤の使用を検討すること。1日尿量2.5Lの場合、1日尿中シスチン排泄量の目安は600mgである。」となっております。
販売元のマイラン製薬としてはチオラの使用をシスチン尿症の患者さんのみに限定するなどして供給を維持しようとしています。マイラン製薬は、チオラ処方中のシスチン尿症の患者数、使用量、担当医師と所属、処方元(保険薬局)などを把握し、流通管理をしたいようです。
4月に調査依頼がマイラン製薬からくる予定ですが、評議員の皆様でチオラを御処方の方は、事前に各地区のマイラン製薬の担当者に連絡して頂いた方が無難かもしれません。また周囲の泌尿器科の先生方にも情報共有をお願い致します。以上、宜しくお願い致します。(添付ファイルをご参照ください)
薬事委員会(伊藤秀一、佐古まゆみ)