事業案内

小児特発性ネフローゼ症候群診療ガイドライン2013

ステートメントのホームページ掲載にあたって

 小児特発性ネフローゼ症候群は、小児の慢性腎疾患の中で最も頻度が高く、小児腎臓病領域で非常に重要な疾患のひとつです。日本小児腎臓病学会は、小児特発性ネフローゼ症候群の薬物治療に関して、適切な判断や決断を支援し適切な医療の提供に役立つことを目的に、2005年に「小児特発性ネフローゼ症候群薬物治療ガイドライン1.0版」(委員長:吉川徳茂 和歌山県立医科大学小児科)を作成・公表しました。このガイドラインは、その時点における小児特発性ネフローゼ症候群の標準的な薬物療法を提示・解説したものであり、我が国の小児特発性ネフローゼ症候群治療の均霑化に大いに貢献したと評価しています。

 2011年になり、前述のガイドライン公表より6年が経過し、その間に、リツキシマブをはじめとする新たな治療法が紹介され、薬物療法に関するガイドラインを改定する必要があると考えられました。さらに、薬物療法だけでなく、浮腫の管理、食事療法、運動制限、ステロイド副作用、予防接種などの一般療法及び成人期への移行医療などに関するガイドラインの必要性も考慮されるに至りました。

 そこで、日本小児腎臓病学会学術委員会の一つの事業として、前述のガイドラインを改定することになり、「小児特発性ネフローゼ症候群ガイドライン2013」として平成25年9月25日に診断と治療社より出版されました。日本小児腎臓病学会ホームページでは、ガイドラインの骨格をなす“ステートメント”を掲載いたします。

 「小児特発性ネフローゼ症候群ガイドライン2013」は、臨床の最前線で活躍し、特発性小児ネフローゼ症候群の診療経験が豊富で、かつ学問的にも優れている日本小児腎臓病学会の若手の精鋭を選定するとともに、診療ガイドライン作成の専門的知識を有する特定非営利活動法人日本医学図書館協会の方々や患者及びその保護者も加わった「小児特発性ネフローゼ症候群ガイドライン2013」作成委員会が、「Minds診療ガイドライン作成の手引き2007」に従って作成したものです。日常診療や研究・教育活動に忙しい中で、ガイドライン作成のために献身的な努力をされた作成委員会の先生方には、心から敬意を表するとともに、改めて厚く御礼を申し上げます。

 ガイドラインはあくまで診療を支援するためのものであり、診療を拘束するものではありません。これを実際に臨床の現場でどのように患者さんに用いるかは、医師の専門的知識と経験をもとに患者さんの意向や価値観を考慮して総合的に判断する必要があります。今回のガイドラインは恒久的なものではなく、今後、国内外の臨床研究で得られる新たなエビデンスをもとに順次改訂していく方針です。

日本小児腎臓病学会学術委員会委員長
飯島 一誠

  1. 本ガイドラインについて・語句の定義
  2. 第1部(薬物療法)のステートメント
  3. 第2部(一般療法)のステートメント
  4. 作成委員会・査読委員一覧

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