理事長挨拶

一般社団法人 日本小児腎臓病学会
理事長 飯島 一誠

理事長挨拶

理事長 飯島 一誠

 役員改選に伴い、2016年7月より一般社団法人日本小児腎臓病学会理事長に就任いたしました飯島一誠です。新体制の発足に伴い、一言ご挨拶申し上げます。
日本小児腎臓病学会(以下、本学会)は1966年に発足し、その後諸先輩方や様々な関係者のご助力により、会員数も徐々に増加し、現在では1300名を超えています。また、1974年の創設時より国際小児腎臓学会にregional societyのひとつとして参加し、同学会の発展にも寄与してまいりました。
本学会はこれまで以下の5つ行動目標を掲げて活動して参りました。

  1. 子どもの腎臓病の真の原因を解明し、エビデンスに基づいたより良い治療法を開発する。
  2. 腎臓病の子どもの診療にあたる小児科医に最新の正しい医療知識と技術を提供する。
  3. 子どもの腎臓病を早期発見し適切な治療や対応を可能にするための社会活動を行う。
  4. 子どもの腎臓病の診療・教育・研究を担う若手小児科医を育成する。
  5. 国内外の関係者と協力して、子どもの腎臓病の診療・教育・研究活動を奨励・支援する。

 以下に、これらの行動目標を達成するための私の所信を述べさせていただきます。

 私は、2010年に本学会学術委員会委員長となり、学会編集教科書「小児腎臓病学」の発刊や小児特発性ネフローゼ症候群ガイドラインの改訂、難治性疾患克服研究事業・政策研究事業等の厚生労働省研究班の活動等を通じ、本学会の学術レベルの向上を目指してきました。また同時に国際小児腎臓学会 (IPNA) Assistant Secretaryを拝命し、IPNAの運営に関与するとともに、本学会の国際的な地位向上に努めてきました。さらに日韓中小児腎セミナーの組織委員会の一員として、三国の小児腎臓学会の交流を促進するとともに、若手小児腎臓病医のレベルアップも目指してきました。一方で、これらの国際的な活動を行うなかで、本学会以外のIPNA regional societyの活発な学術活動(例えば欧州小児腎臓学会(ESPN)の各種working group(WG)による共同研究)によるハイレベルの研究報告や、韓国、中国の優秀な若手研究者の出現等を目の当たりにし、本学会の学術レベルの相対的な低下に強い危機感を抱くようになりました。

 そこで、本学会の学術レベルのさらなる向上のために、学会として、いくつかの分野でWGを立ち上げ、研究の活性化を図ります。また、学術レベルの向上のためには、本学会員、なかでも、これから本学会を背負っていく若手会員が、もっと世界に目を向ける必要があります。若手会員を中心として本学会員のIPNA入会者をさらに増加させるとともに、ESPN及びアメリカ小児腎臓学会との学術面での連携強化や、日韓中小児腎セミナーのさらなる活性化も目指したいと思います。

 本学会の目標のひとつとして、「腎臓病の子どもの診療にあたる小児科医に最新の正しい医療知識と技術を提供する」ことが掲げられています。新たな診療ガイドラインの作成や既存のガイドラインの改訂および学会編集教科書「小児腎臓病学」の改訂等は、この目的に合致する非常に重要な事業であり、これまで以上に積極的に取り組んでいきたいと思います。

 「子どもの腎臓病を早期発見し適切な治療や対応を可能にするための社会活動を行う」ことも本学会が行うべき重要な事業です。これまで多くの重要な業績をあげてきた小児CKD対策委員会の活動を継続・発展させるとともに、総務委員会から薬事・保険委員会を独立・充実させ、腎臓病に苦しむ子どもたちに、より迅速に必要な薬剤や医療機器が使用できるよう努めたいと思います。

本学会の発展のためには、人材育成が重要であることは言うまでもありません。新専門医制度への対応、教育プログラムの充実に力を注ぎ、若手小児科医を小児腎臓の世界に導くとともに、リサーチマインドを持つ若手小児腎臓病専門医の育成に努めたいと考えています。

 IPNA regional societyは本学会を含めて7つありますが、その半数以上で女性が代表を務めています。本学会も女性会員にもっと能力を発揮できる機会を与え、積極的に女性を登用すべきであり、男女共同参画委員会をあり方委員会から独立させ、女性会員の活躍をサポートしたいと思います。

 腎臓病で苦しむ子どもたちとそのご家族に希望や安心を与えられるよう、本学会の活動をさらに充実・発展させたいと考えております。皆さまのご支援・ご協力を賜りますよう、宜しくお願い申し上げます。

平成28年9月

The 12th Japan-Korea Pediatric Nephrology Seminar 2014